キシリア・ザビとは
◼︎所属
ジオン公国軍 突撃機動軍
◼︎階級
少将
◼︎職種
突撃機動軍司令
◼︎搭乗機
アッザム・グワジン
◼︎年齢
24歳
若干24歳にして突撃機動軍の司令を務めるザビ家の長女。
冷徹な程の合理性と先見の明を備え、それを実現する行動力も併せ持つ。
地球を統べるザビ家の長女
ジオン公国軍の一翼を担う突撃機動軍。
その司令官こそザビ家の長女キシリア・ザビである。
突撃機動軍は弟であるガルマ・ザビが長を務める地球方面軍も配下にしていた。そのためキシリアの腹心マ・クベが中央アジアで専横的に振る舞えたのである。
マ・クベの鉱山基地が度々劇中に現れる事から、兵站や資源確保に尽力していた様に思えるキシリア。
しかしその反面マ・クベに強力な攻撃力を持つモビルアーマー「アッザム」の実用化の算段を立てさせたり、地上のキャリフォルニアで水陸両用モビルスーツの開発を推し進めたりと、斬新なアプローチで戦力拡大にも努めている。
また、早くから戦争の道具として「ニュータイプ」に着目しており、その実態を把握する為「フラナガン機関」を設立し、研究していた。
そしてその成果をもとに、ニュータイプの脳波を読み取り遠隔操作を可能にする「サイコミュ」を搭載したモビルアーマーやモビルスーツの開発をさせている。
これらの事からキシリアは、単なる策略だけでなく、シャアが評する通りもっと大きな視野で戦争を捉えていたことがわかる。
しかしその一方、ギレンやドズルの様な軍人というよりも、策を巡らす政治家という顔を持っていた。
だからこそ、マ・クベの様な軍人よりも官僚として有能な人間を重要視していた。のちにシャアを自分の手駒として取り込んだのも、シャアに単なる軍人にはない狡猾さを見出したからだろう。
非情な合理性
キシリアの行動原理は一貫して、情よりも理を優先させるというものである。
地球の鉱山基地視察の際は、ガンダムに襲撃された基地を人員もろとも見殺しにしている。
また、鉱山基地を守りきれなかったマ・クベに対しては、冷や飯を喰わせた後で「専用モビルスーツ」としてギャンを与え、ガンダムに差し向けている。
マ・クベの心理を巧みに操り、術策通り彼は奮戦するのだが、実際にはギャンは専用モビルスーツではなくゲルググとの主力機コンペに敗れた機体であった。
こうしたキシリアの非情さは肉親にまで向けられており、ガルマの死を悼むデギンやドズルに対し、キシリアはギレン同様ガルマの死を政治的に利用するとして譲らなかった。
考え方の近かった長兄のギレンに対してもそれは変わらず、親殺しの疑いが確信に変わった時、衆目の面前で躊躇なく射殺してしまう。
単純に政治的にライバルだった事や父の仇であった可能性もあるが、大義名分を手にした途端のこの殺害は、なにか逸物あっての事であろう。
こうしてア・バオア・クー、ひいてはジオンの全権を握り指揮をとったキシリアだったが、ギレンが殺された事による動揺は防衛網全体の隙となり、戦局は敗北に向かっていく。
これを悟ったキシリアは決戦の地をグラナダに移すべく、密かに脱出を試みるが、出航間際 これを察知したシャアにバズーカで狙撃され死亡している。
キシリア・ザビの名言・名場面
基地を爆破しなさい
第18話「灼熱のアッザム・リーダー」より。
鉱山基地をガンダムに知られたキシリアは「秘密保持のため基地を爆破しなさい」とマ・クベに命じる。基地にはまだ自軍の兵が残っているがこれにはマ・クベもびっくり。対立するドズルに知られないためだけに部下の命もいとわない冷酷さが現れたシーン。
おふざけでない
第24話「追撃!トリプルドム」より。
キシリアは作戦会議にて「おふざけでない。全く問題にならぬプランです」と立腹する。その短いシーンの中で「モビルアーマーの実用化」「地球での白兵戦用のモビルスーツはシャア中佐にまわす」「各部隊に配属中の重モビルスーツ」など、興味深い言葉が続出。キシリアの先見性が雄弁に語られたシーンだ。
意外と兄上も甘い様で
第42話「宇宙要塞ア・バオア・クー」より
父親であるデギンの艦 グレート・デギンの反応が消えた。事の真相をギレンに確かめるキシリアだが、父の死に笑みを浮かべるギレンに「父殺しの男が…!」と心の中で侮辱する。しかしキシリアにとって格好の反逆理由が出来たのだ。銃をギレンの頭に突きつけ、引き金を引いた。
赤い彗星も地に落ちたものだな
第43話「脱出」より
未完成と知りながらジオングにシャアを乗せたキシリア。ジオングの識別信号が消えたと知るや、「赤い彗星も地に落ちたものだな」と冷たく呟く。キシリアはララァよりシャリアブルが優れていれば彼をエルメスに乗せようと考えていた。徹底的に能力で人を評価していたのがわかるシーン。