ドムの系譜 一覧
MS-09 ドム
ジオン軍がかねてより問題としていた「重力下におけるモビルスーツの移動速度」を解消したのが、ツィマッド社が開発した傑作MS「ドム」。熱核ジェットエンジンを採用した事で、ホバー走行による高速移動を実現。
プロトタイプであるYMS-09がロールアウトした後、キャリフォルニアベースにて量産化がスタート。そのうち先行量産型の3機はエースパイロットである「黒い三連星」に送られ、彼等のパーソナルカラーであるブラック&パープルの塗装がドムの正式カラーに採用された。
MS-09R リック・ドム
連邦軍がガンダムを基にした高性能な量産機「ジム」を開発した事で、ジオン軍はザクⅡに変わる次期宇宙専用主力機の開発が急務となった。そこで重力下で優秀な活躍を見せていたドムに白羽の矢が立ち、急遽ドムを宇宙用に改修するプランが持ち上がる。ビジュアル的にはドムと大差ないが、リックドムでは熱核ジェットエンジンが、熱核ロケットエンジンに換装されている。
MS-09R-2 リック・ドムⅡ
一年戦争末期にジオン軍が実施した統合整備計画(MS間である程度のパーツを同一規格で製造・共有する)に沿って、大幅に改修を加えた機体。陸戦型であるドムを宇宙仕様に”改修”した機体であったリックドムから、機体の9か所に姿勢制御用スラスターを装備。高い機動性を実現し、完全なる宇宙専用機として再設計されている。更に、アタッチメント式のプロペラント・タンクを採用し、リックドムと比較して作戦行動時間は200%も向上した。
MS-09F/TROP ドム・トローペン
ドイツ語で熱帯を意味する「Tropen」の名前の通り、砂漠などでの熱帯地戦を想定して開発されたドムの局地戦仕様。ホバー走行が可能なドムは障害物の少ない砂漠や平原で真価を発揮し、本機もアフリカ戦線での運用が重視されている。その為、熱核ジェットエンジンの吸入口には防塵カバーが設けられている事が特徴。武装はラケーテン・バズや、MMP-80マシンガンなど通常のドムとは異なっている。
MS-09G ドワッジ
砂漠戦に特化した局地戦型ドムのバリエーション機にして、地上型ドムの最終進化系。MS-09と比較すると、熱核ジェットエンジンや背部スラスターが強化され活動時間も延長。通信能力や冷却装置も強化されるなど、全体を通してハイスペックな機体となっており、陸戦に限定すれば第1次ネオ・ジオン戦争時代のMSに匹敵する性能を持っている。
MS-09H ドワッジ改
ドワッジの現地改修機で、肩や脚部にスラスターが増設されるなど独自の強化が施されている。陸戦ドムでは珍しく、ビーム系武装であるビームカノンを装備しているのも特徴的。
YMS-09 プロトタイプドム
グフ試作実験機を経て、ドムとしては第1号となる試作機。しかしテスト段階の機体の為、剥き出しの熱核ジェットエンジンのバーニアや頭部の動力パイプ、別体型のランドセルや武装の固定方式など、後のMS-09との相違点が多い。また、この時点ではエッジの利いたシルエットなのも特徴的。
ジオン本国で開発が行われ、本格的な量産テストはキャリフォルニアベースで行われた。
(グフの系譜
YMS-09D ドム・トロピカルテストタイプ
ドムの量産が本格化して間も無く、北アフリカ戦線の要請により、プロタイプドムのうち一機が熱帯戦仕様に変更され、YMS-09Dが開発された。当初はアリゾナの砂漠地帯において、スカラベ部隊による試験運用テストが行われたが、その後、北アフリカ戦線のカラカル部隊に配属されている。
全体的なシルエットはプロタイプドムと同じだが、YMS-09D熱帯用ランドセルや通信能力の強化が施され、カラーリングもサンドブラウンに変更されている。
MS-10 ペズン・ドワッジ
大戦末期、小惑星ペズンで極秘に進められた「ペズン計画」のうちの1機。十字レールのモノアイや特徴的なシルエットなど、ドムをベースに再設計された様な機体だが、独立した頭部やビームバズーカを想定した機体設定など、全体的なバージョンアップが行われている。同じドワッジという名称を持つがMS-09Gとは全く関連性のない機体。
MS-09F/Gb ドム・グロースバイル
「大ナタ」を意味するグロースバイルを名に冠した格闘特化型のドム。ドム・トローペンと同時期に開発され、射撃武器を持たない代わりにスラスター搭載の超大型ヒートサーベルやヒートナイフを備えている。完全なる格闘専用機の為、砲撃型のドム・バインニヒツと組み合わせた運用を想定している。
MS-09F/Bn ドム・バインニヒツ
「足なし」の意味を持つドムのバリエーション機。下半身を高機動スラスターに換装する事で、モビルアーマーなみの機動力を誇っていた。武装はラケーテンバズの他、機体各部にシュツルム・ファウストなどをマウント可能。
MS-09K-1 ドム・キャノン
一年戦争末期に追加生産されたドム・トロピカルテストタイプのバリエーション機。中・長距離支援用として固定式のキャノン砲を右肩に搭載。長距離支援型のK-1と、ショートバレルのキャノン砲を2門装備したK-2型が存在する。