ドズル・ザビとは
◼︎所属
ジオン公国軍 宇宙攻撃軍
◼︎階級
中将
◼︎職種
宇宙攻撃軍 司令
◼︎搭乗機
ビグザム
◼︎年齢
28歳
ザビ家の三男にして宇宙攻撃軍の司令を務める。いかつい外見に似合わず、その人柄は部下思いで情にもろい。ザビ家のなかでも珍しい政治的野心の少ない軍人らしい人物である。
心優しき鬼将軍
ドズル・ザビはザビ家の中では異質な容貌であった。2メートルを超える巨体と鬼の様な形相は、ギレンやキシリアなど他の兄弟とは似ても似つかないものだった。
一人だけ容貌が違う事から、妾腹の子という陰口も叩かれたが、すねる事なく、むしろ兄弟の中では健全な性格に育った。
母であるナリス・ザビは、末弟のガルマを生んで間も無く亡くなったため、母の面影を残すガルマを愛おしく思い可愛がっていた。
同時に戦士としてもガルマに大きな期待を寄せていたため、ガルマ戦死の際は「俺まだ信じられん。今にもあいつが顔を出すんじゃないかと」と嘆き、「あいつこそ、俺さえも使いこなしてくれる将軍になろうと、楽しみにしていたものを…」とまで言っている。
それ故にガルマを守りきれなかったシャアを許すことができず、宇宙攻撃軍から除隊させる程であった。
また、妻のゼナ・ザビと娘のミネバ・ザビを溺愛しており、骨肉の争いを繰り広げるザビ家において数少ない真っ当な人物であった。
ジオンの栄光
また、その容貌から力づくの攻撃が得意なような印象があるが、意外にも軍略に長け、その才覚は地球連邦軍のレビル将軍を打ち破る程である。
事実、宇宙の戦いにおいて勝ち星をあげ、ジオンの歴史に勝利を刻んできたのは他ならぬドズル・ザビなのだ。
そしてドズルは軍略に優れているだけでなく、部下からの信頼も厚かった。
物語の序盤では、シャアが作戦から戻ってくると既に成功を祝う晩餐会を用意していた程だ。
宇宙要塞ソロモンでの防衛戦では、地球連邦軍の巨大兵器「ソーラ・システム」による被害から、ソロモン放棄をいち早く決断。
残った艦艇で妻子と将兵達を脱出させるため、自ら囮となるためモビルアーマー「ビグザム」で出撃した。
そして「一人でも多く地獄に引きずり込んでやるわ!」と死を覚悟し、連邦軍に猛攻を仕掛けるが、ガンダムとの戦いに敗れ、その生涯を終えた。
ジオンの誇りと栄光を背負って戦ってきた男のはじめての敗北であった。
ドズル・ザビの名セリフ・名シーン
さすが、赤い彗星のシャアだな
第2話「ガンダム破壊命令」より。
シャアの作戦成功を祝う晩餐会を準備していたドズルだったが、その準備が無駄になったと怒っていた。しかしシャアの遅れた理由が連邦軍のV作戦と知るや、「さすが赤い彗星だな」と笑い出した。「補給が欲しいのだな?回す」と物分かりもいい。ドズルの表裏のない人の良さがにじみ出るシーンだ。
戦いは数だよ兄貴
第35話「ソロモン攻略戦」より。
連邦艦隊がソロモンに迫っているのにも関わらず、兄ギレンが増援に寄越したのは未完成状態のビグザム一機。「兄上は何を考えているのだ?今あるリックドムでは数が足りんのだ」と憤るドズル。しかし物笑いの種になるとしてキシリアに援軍を要請する事はなく、孤立無援で決戦に臨むのだった。
ゆけ、ゼナ!ミネバと共に!
第35話「ソロモン攻略戦」より。
連邦軍のソロモン攻撃が始まった。ドズルは妻であるゼナと娘のミネバを脱出させようとするが、不安そうな妻に「このソロモンが落ちるものか。万が一を考えてのことよ」と気休めを言い妻の額にキスをする。そして「ミネバを頼む、強い子に育ててくれ」というはっきりと死を覚悟したドズルの言葉にゼナは言葉を詰まらせる。「私は軍人だ。ザビ家の伝統を創る軍人だ。死にはせん。ゆけ、ゼナ!ミネバと共に!」これがドズルが妻子に向けた最後の言葉となった。
やらせはせん、やらせはせんぞ!
第36話「恐怖!機動ビグザム」より。
「操縦系を切り替え私のところへ回せ。お前らも各個脱出しろ」とビグザムに一人残るドズル。そして1人でも道連れにするため連邦軍艦隊に突撃。「このビグザムが量産の暁には連邦なんぞあっという間に叩いて見せるわ!」とドズルは自分が死んだ後のジオンの勝利を確信している。しかしスレッガーによりIフィールドを無効化され、ガンダムに追い詰められるとビグザムから降り、生身でライフルを放ちガンダムに立ち向かう。
「ジオンの栄光。この俺のプライド。やらせはせん、やらせはせんぞ!」